トヨタ ウーブンシティとは?意味やなぜを考えた
トヨタが未来都市や実験・実証都市と
いわれるウーブンシティ(woven city)を建設すると話題になっています。
場所は静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地に建設、
施工会社、いわゆるゼネコンは三井住友建設となります。
地図で確認をしても分かりますが、
アクセスとしても東名高速道路の裾野インターチェンジや
JR御殿場線岩波駅からも比較的近く、国道246線沿いにあり
トヨタ東富士研究所にも近いので運営上にも良いと言えそうです。
トヨタ ウーブンシティのキーワードはCASEではないかと思っていますが
トヨタ ウーブンシティの場所や地図に加え
ウーブンシティとは?意味やなぜを考えてみました。
トヨタ ウーブンシティの場所と地図
トヨタ ウーブンシティはどこ?と言えば
富士山のすそ野に広がる
静岡県裾野市にあったトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地が
トヨタ ウーブンシティの場所となります。
以前、トヨタ自動車東日本は関東自動車として知られており
トヨタの最高級車「センチュリー」の製造をしていたと聞き及んでいますが
現在ではトヨタ自動車東日本は宮城県大衝村に移転しています。
冒頭と重複しますがアクセスも良く
およそ70万平方メートルの敷地にウーブンシティが生まれるとしていますが
現時点(2021年)では投資費用や完成時期は明らかになっていません。
トヨタ ウーブンシティとは?
トヨタ ウーブンシティ(woven city)の意味としては
網の目の様に織り込まれることが語源となっています。
事実、トヨタ ウーブンシティの計画では地上と地下に合計4種類の
道路を張り巡らせ、様々な条件で自動運転や先端技術の検証を行うことからも
分かりますが網目状の道路を備えることから
woven=織られた、として未来都市の名前にしたのでしょう。
ウーブンシティは街全体をITでつなぐ
次世代都市「スマートシティー」との位置づけされ
住人はおよそ360人でスタート、2000人以上を想定しています。
実験・実証都市としては自動運転を始め人工知能(AI)や通信を活用することや
水素で発電する燃料電池システム、ロボットの活用をしつつ
実際に子育て世代や発明家、技術者や研究者が常駐することで
実験、社会課題の解決に役立つ新サービスや製品の開発につなげることが
期待されています。
そして、
NTTとは情報インフラで協力をしますが
トヨタはソフトバンクと自動運転車などでの
モビリティー(移動)サービスの分野で手を組むことが決まっているので
ウーブンシティでもソフトバンクが関係すると予想されます。
ウーブンシティのなぜ?
トヨタ ウーブンシティに関連して
筆者が考えたことはCASEとの関連です。
CASEとは?2016年にドイツのメルセデス・ベンツが発表した
中長期的な戦略での造語の名称でしたが、
次世代車を表す言葉として定着しています。
CASEとは
C=connected コネクテッド つながる車
A=autonomous オートノマス 自動運転
S=shared&services シェア&サービス 共有とサービス
E=electric エレクトリック 電動化
という意味になります。
次世代車のコネクテッドではセキュリティーの不安はあるものの
インターネットで車と外部がデータをやりとりすることで
安全性の向上や事故の際の被害の軽減が図れ、走行時の快適性が高まるとされています。
オートノマスは運転支援がさらに進化してシステムが車の操作をすることを意味しますが
走行時の状況の認知、判断をする人工知能(AI)の性能を高める必要があります。
また
シェア&サービスではカーシェア(共同使用)に加え
アメリカのウーバーに代表される様に自家用車での運送サービスへの期待、
エレクトリックは環境規制もあって
走行時の二酸化炭素を排出しない電気自動車(EV)の開発が
急務になるということなどがCASEの要約となります。
CASEは自動車業界が100年に1度の大変革といわれる
キーワードとなっていますが
自動車産業は異業種との連携によって競争力強化を目指しています。
さらに
2021年3月1日(月)BS-TBSでの番組
ゲスト
井上久男氏(ジャーナリスト)
辻野晃一郎氏(元グーグル日本法人代表)
野口悠紀雄氏(一橋大学名誉教授)
では
自動車産業は
自社工場→販売会社→下請け企業・関連会社
という縦型、垂直統合というシステムが一般的でしたが
EVや自動運転というCASEを基にした自動車産業では
アップルの様に
部品や組み立て工場といった自社工場を持たずに
ほぼソフト開発のみを行う水平分業になることが可能であることから
複雑な部品はなくなり車は家電の様になると・・・
そして
ハイブリッド車はもはやガラケーになりつつあること
自動車産業では若い技術者、研究者が転職を始めていること
2030年に某自動車会社は現状での存在に疑問があること
と意見がありました。
奇しくも
イギリスでは2030年からガソリン車やディーゼル車の販売禁止、
GAFAがCASEの研究開発に力を入れ、
自動運転の分野ではグーグルや百度(パイドゥ)が先行していると言われています。
加えて
日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO )は
「2030年に自動車の価格は現在の5分の1程度になる」
と自社の決算会見時に発言をしています。
アップルによるアップルカーの製造での提携を断ったとされる
日本の自動車業界ですが
就業人口が542万人もいるので仕方がないのかも知れません。
とはいえ
SDGs(エズ・ディー・ジーズ)、持続可能な開発目標を
国連が定め目標としている以上、
日本政府としてもガソリン車やディーゼル車を保護する訳にも行かず
日本の自動車産業は厳しくなって行くことが予想されます。
そして
自動車製造以外の新たな収益源を得るために
トヨタはウーブンシティをスタートしたのではないでしょうか?
同時に
厚生労働省が提唱する2035年問題を考えると・・・
日本だけではありませんが
産業や雇用の大変革期に差し掛かっているのでしょう。
コメント